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街灯

夜道を歩いていると、ふと街灯に虫が全然集まっていないことに気付いた
調べるとどうやら知らないうちにLED式に取り替えられたらしく
発する紫外線が少ないため虫が寄りにくいそうだ
つまり虫というのは人の可視光はどうでもよくて、不可視光に集まっていたということで
同じ世界に居ても、全く別の世界を見ていたんやなあと、ひとつ学んだのであった
新しい街灯は見た目変わってないが、たぶん虫にとってはすごく暗くなった感じなのだろう


街灯の周りを虫たちが飛んでいる光景に
無機的なものと有機的なものの共存を感じて神秘的で好きだったのだが
虫がぜんぜん居なくなってしまったので、新しい街灯は私の感覚では街灯ではなくなってしまった
街灯らしくない街灯という、不思議な街灯である。そのうち慣れてしまうのでしょうけど
いずれは、街灯に集まる虫という風景も人々から忘れられていくのかもしれない。諸行無常だ
そうやって巡り巡って、結局街灯は人間にとっても見た目変わっているのだ


しみじみ症候群なのですぐにうーん存在してんなあとか繋がってんなあとかしみじみしてしまう
紫外線など肉眼で捉えられるはずもないんだけど
虫たちの存在を介して紫外線の多寡を感じることができる
全く別の世界を見ていても、同じ世界に居るんやなあと、ひとつ学んだのであった
人間もじぶんたちの存在を介して虫になんかを伝えているのかもしれぬ
よくできてる