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12月, 2018の投稿を表示しています

やかん

この季節は石油ストーブに水の入ったやかんをかけて部屋の加湿をしている


夜眠る前にはストーブの火を消すのだが
このとき火はすぐに消える一方で、余熱によりやかんからはしばらくの間湯気が出続ける


やかんのお湯は遅れて次第に冷めてゆき、湯気はやがて静かに止まる
その火が消えてから湯気が止まるまでの時間が、ゆったりと長い


最近そういう現象に気づいて、毎晩ストーブの火を消すのが楽しみになりました
一部始終を眺めていると、世界は十全と感じます
しみじみとすばらしい


しかし、このすばらしさは言葉にしても仕方がないタイプのやつなので
言葉にすると仕方がなくなってしまうのでした
仕方ないなあ





やかんから昇る白い湯気が
少しずつ、少しずつ、低く、淡くなる
その様子を、私はただじっと見つめている





空間と時間が在る
思い残すことがない